第3回 当院の言語聴覚療法の紹介

言語聴覚士(ST)とは?
言語聴覚士(ST : Spech-Language-Hearing Therapist)とは、コミュニケーションの障がいや食べることの障がいを持つ方へ、リハビリテーションを提供する職業です。
いわゆる言語障害や摂食嚥下障害を中心として、検査・訓練・助言・指導などのアプローチを行います。
当院のST
当院は、脳神経外科が主要な診療科ですので、STもそれに準じた活動を行っています。
脳血管障害(いわゆる脳卒中)の後遺症を中心に、介入を行っていきます。

当院のSTが携わる障がいは、主に次の3つです。いずれも成人の方が対象です。
- 構音障害:
口や顔などのマヒにより、発音しにくくなった状態です。俗に言う「ロレツが回らない」状態です。
- 失語症:
頭の中で言語そのものを処理することが難しくなります。
言葉に関する「聞く」「話す」「書く」「読む」全ての側面で、難しさが現れます。失語症自体にマヒは関係ありません。 - 摂食嚥下障害:
口から食道までの飲み込みに関わる器官の問題で、飲み込みにくくなった状態です。
アプローチ
様々な訓練や助言・指導などを通して、これらの難しさがなるべく軽減できるよう、リハビリテーションを提供します。
構音障害
口や顔の運動を改善することで、はっきりと発音できるように促します。

摂食嚥下障害
飲み込みにくさの程度に合わせて、間接訓練(食べ物を使わない嚥下訓練)や直接訓練(食べ物を使う嚥下訓練)を行います。


失語症
患者様の言語症状にもよりますが、一般的には言葉の理解を改善するための課題を優先します。


言葉と飲み込みは、直接手で触れることはできません。だからこそ、患者様の不安やストレスが少しでも軽減できるよう、明るく楽しいアプローチを心がけています。
患者様のコミュニケーションと食事のことで、何かご不明な点などありましたら、お気軽にお声をお掛け下さい。
活躍の場
全国的に見ると、STは医療施設、福祉施設、保健施設、教育機関などに所属しています。
しかし、西諸県地域では、STが活躍している施設はまだまだ少なく、常勤している施設は一部の病院・施設に限られ、その人数も10名程度です。
本来、STの資格で介入できる対象者は、乳幼児から高齢者に至る幅広い年齢層なので、医療・福祉・教育サービスの地域格差を少なくするためにも、この地域に就職するSTを増やす努力が必要です。
STについて、さらに詳しい情報を知りたい方は、以下のホームページなどをご参照ください。
- 一般社団法人 日本言語聴覚士協会 http://www.jaslht.or.jp/index.html
- 宮崎県言語聴覚士会 http://miyazaki-st.net/